鍼灸治療について

東洋医学の考えに、陰陽五行というものがあります。
これは、自然界に存在するすべての事象を「陰と陽」、
そして五行(木・火・土・金・水)というものに当てはめて考えます。
 
例えば太陽があれば月がある、男性がいれば女性がいる、
表があれば裏があるというように相対的に考えます。

また、木が燃え灰になり、灰が土になり、土が固まり金になり、金の周りに水が生じる(金が冷えることにより周りに水滴ができる)、水は木を育成します、この一連の流れを五行というもので表します。人も自然界に暮らしており、やはり陰陽五行に関連し、木は肝に、火は心に、土は脾に、金は肺に、水は腎にというように表されます。これらの考えを基本として身体を診てまいります。

証

さて、東洋医学、鍼灸治療においては「随証治療」という考えがあります。これは治療を行う際に非常に大切なものです。現在の身体の状態を診て、「証」を決め、治療方針を立て、治療を行います。

「証」とは、鍼灸治療における診断の基本となるもので、身体のタイプを分類します。
「証」には、陽証・陰証・表証・裏証・寒証・熱証・実証・虚証など(実際にはかなり多くの証があります)があり、その証に即した治療を行ってまいります。
 
その「証」を決めるときに「四診」と呼ばれる診察法を用います。「四診」には、望・聞・問・切と呼ばれる四つの診察法があり、これに基づいて身体全体の状態を診てまいります。

望診(ぼうしん)
患者さんの顔、姿勢、動きなどを診ます。
顔色や、皮膚の色、目の輝きなどを診ます。

聞診(ぶんしん)
患者さんの声や話し方、
また、吐く息や体臭などのにおいを診ます。

問診(もんしん)
患者さんに質問をして
現在の自覚症状や、病歴などを尋ね、治療の材料とします。

切診(せっしん)
患者さんのお腹を診たり、脈を診たりします。

 
 
望・聞・問・切これらの情報を総合的に判断し「」を決め治療を行います。

診療の流れ

1.受付をお済まし頂きその後問診を行います
現在の症状、現在ならびに過去にお患いの病気、現在服用中のお薬など、お伺いさせていただきます。お答えになれる範囲で結構ですのでお答えください。また、普段の生活などもお教えいただくことにより、病の原因、治療の方針などを考える手がかりとなります。
2.望診・切診
ベッドに横になっていただき、脈診(手首の脈)、舌診(舌の状態)、腹診(お腹の状態)や、皮膚の状態などを診させていただきます。
*これらの情報をもとに患者様の身体に合った治療法を決めてまいります。
3.治療
ベッドに仰向きの姿勢で治療を始めます。手・足・頭・お腹などに治療を行います。次にうつ伏せになっていただき、首・肩・背中・腰等に治療します。
治療時間は約40分から60分位です。初回は問診等がありますのでもう少し時間がかかります。これは基本的な治療法であり、患者様の状態に合わせて治療いたしますので、その時々により変更いたします。
4.治療後
今後の治療計画ならびに家での過ごし方(養生法)などをお話しいたします。

鍼灸適応症

運動器系疾患
関節炎 五十肩 関節リウマチ 腱鞘炎 弾発指
頸肩腕症候群 腰痛 むち打ち 捻挫
 
神経系疾患
神経痛 神経症 神経麻痺 痙攣 脳卒中後遺症
自律神経失調症 頭痛 めまい 不眠 ノイローゼ
ヒステリー
 
消化器系疾患
胃炎 消化不良 胃下垂 下痢 便秘 胆のう炎
肝機能障害 膵炎 胃十二指腸潰瘍 痔疾
 
呼吸器系疾患
気管支炎 喘息 風邪
 
循環器系疾患
心臓神経症 動脈硬化症 高血圧 低血圧 動悸 息切れ
 
代謝・内分泌系疾患
バセドウ氏病 糖尿病 痛風 貧血
生殖・泌尿器系疾患
膀胱炎 尿道炎 性機能障害 尿閉 腎炎 前立腺肥大
陰萎
 
婦人科系疾患
不妊 更年期障害 乳腺炎 生理痛 月経不順
冷え症 血の道
 
小児科系疾患
夜泣き かんむし 消化不良 食欲不振 不眠
小児喘息 夜尿症 虚弱
 
眼科系疾患
眼精疲労 仮性近視 結膜炎 疲れ目 かすみ目
ものもらい
 
耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎 耳鳴り 難聴 メニエル氏病 鼻血 鼻炎
蓄膿症 扁桃炎 咽頭炎

 
 
 
 
 

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